コベルコ建機株式会社(本社:東京都品川区、社長:藤岡 純 以下コベルコ建機)と、ヤンマー建機株式会社(本社:福岡県筑後市、社長:瀬戸智行 以下ヤンマー建機)は、ミニショベルのOEМ供給の拡大と相互OEМ供給の開始について基本合意しました。基本合意したのは、以下の2点です。
1) ヤンマー建機からコベルコ建機へのミニショベルOEМ供給拡大
2) 新たに、コベルコ建機からヤンマー建機へのミニショベルOEМ供給の開始
【基本合意の概要】
1) ヤンマー建機からコベルコ建機へのミニショベルOEМ供給拡大
現行、コベルコ建機はヤンマー建機から、日本国内向けに、0.5トン、0.8トンクラスのミニショベルのOEМ供給を受けております。今後は下記の通り、対象モデル、対象エリアを拡大致します。
① OEМ対象モデルの拡大
現行は、0.5トン、0.8トンの標準機2モデルに限定してOEМ供給を受けていましたが、今後は1トン、1.7トン、2.0トン、2.5トンの後方超小旋回機*14モデル、0.5トン、0.8トン、1.6トン、1.8トン、2.2トン、2.6トンの標準機6モデルの計10モデルに拡大します。
② OEМ供給エリアの拡大
現行では、対象エリアを日本国内に限定していましたが、今後は対象モデルに関して全世界にエリアを拡大し、販売を行ってまいります。
販売開始時期は、北米・韓国・豪州は2015年1月から、欧州・日本は2015年4月からを予定し、その他のエリアに対しては順次導入を検討してまいります。
2) コベルコ建機からヤンマー建機へのミニショベルOEМ供給の開始
今回の合意により、新たにコベルコ建機からヤンマー建機へ、2.0トン、3.0トン、3.8トン、5.0トンの国内向け超小旋回機*24モデルの供給を開始します。
OEМの供給開始は、2015年夏ごろを予定しています。
【OEМ供給拡大・相互OEМ開始合意の背景と、当社にとっての意義】
コベルコ建機では限られた時間、限られた経営資源の中で、拡大するミニショベルのグローバルマーケットに的確に対応していく為には、選択と集中が必要だと判断し今回の経営判断を行いました。
今回の合意はコベルコ建機、ヤンマー建機の双方にとって大きなメリットがありますが、コベルコ建機にとっては以下のようなメリットがあります。
1) 国内需要の拡大・グローバルマーケットの拡大に対する品揃え強化
近年、国内市場でミニショベルは増加傾向にあり、また、2013年から再進出した米国、欧州市場の開拓も順調に進展しています。当社では、2.8tから5.5tのミニショベルの低燃費化、低騒音化に取り組み、昨年来、モデルチェンジを行いました。国内市場からは低燃費の実現とコベルコ独自技術「iNDr(エンジン冷却システム)」を搭載したミニショベルが高評価を得ています。一方、2.8t未満のミニショベルにおいては、低燃費・低騒音性以外にも様々なニーズがあり、とりわけミニショベルの最大マーケットである欧州では、当社の製品メニューにない2.8トン未満の標準機の品揃え強化が急務となっています。
今回のヤンマー建機からのOEМ供給拡大により、全世界向けの品揃えが整います。
2) 開発と生産分業強化による収益性向上
拡大するミニショベル市場のニーズをキャッチアップしていくには、得意な分野に経営資源を集中し、スピード感を持った製品開発を行うことが重要と判断し、ヤンマー建機からのOEМ供給拡大を決断しました。決断の背景として、世界市場の中で、北米と韓国市場だけが、3.0トンクラス未満のミニショベルに関しても4次排ガス規制に対応しなければならないなど、特殊事情がありました。
また当社からは、当社が得意とする超小旋回モデル機4機種を国内向けとしてヤンマー建機にOEМ供給することで機種ごとの生産台数の増加が期待でき、生産性が向上することも期待できます。
コベルコ建機は『低燃費のコベルコ』の評価に応えるべく、環境に配慮した省エネルギー・低燃費のショベル開発に取り組んでまいりました。市場ニーズにお応えをして、低燃費・低騒音の各種品揃えを充実させています。
今後も、低燃費による環境負荷低減やお客様のランニングコスト低減のメリットに加え、独自技術の深堀を発展させ、お客様へさらなる商品価値を提供してまいります。
<ご参考> |
*1 |
後方超小旋回機: |
後端旋回半径を短縮し、機体後端のクローラ幅からのはみ出しを10%以下に抑えることで、狭所作業性を高めたショベル。 |
*2 |
超小旋回機: |
旋回半径を短縮し、機体の前・後のはみ出しをそれぞれ10%以下に抑えたショベル。おおよそクローラ車幅内で作業でき、狭所作業に特化した機種。 |