2005年10月22日
コベルコ建機株式会社

超大型ビル解体専用機『SK3500D』の開発・販売開始について

~世界一の作業高さ65m超を実現! 渡辺解体興業(株)殿より1号機受注!~

 コベルコ建機株式会社(本社:東京都品川区、社長:島田 博夫)はこのほど、世界一の解体作業高さ65m超を実現した超大型ビル解体専用機『SK3500D』を開発し、10月22日より販売を開始します。
 本機の第1号機は、国内最大手で解体業のパイオニアである渡辺解体興業(株)(本社:東京都江東区、社長:渡邊 龍一)殿 から既に発注を頂いており、本1号機の完成に当たり、コベルコ建機が開発し、渡辺解体興業殿が保有する“世界一の作業高さのビル解体機”としてギネス申請を実施しました。

 近年、都市部での再開発事業においては、老朽化した既存諸施設の積極的な解体再生などによる都市空間の有効活用が不可欠となっております。特に代表的な解体対象となるビル自体の高層化、基礎コンクリートの大型化、およびコンクリートの高強度化などにより、ビル解体作業はますます複雑化が進んでおり、これらに対応できる能力の高い大型マシンの導入が求められております。

 ビル等の解体工事では、従来、25m(ビル7~9階)程度の高さまでは40トンクラスの油圧ショベルをベースにした解体専用機で地上から直接解体するのが一般的です。
 しかし、それ以上の高さでは、止む無く解体機をクレーンで屋上まで運び、上部から解体を進めなければならず、必然的に作業の手間や日数が増えてしまうため、ユーザーからは、高層ビルでも地上から直接解体作業が行える機械の開発が望まれていました。

 そこで当社では、地上高さ65m(およそ21階建てビルに相当)でも安全かつパワフルで効率良く高所解体作業が出来るように、広スパン・低重心で安定性が極めて高いクローラクレーン(200t吊り)の足廻りを採用し、様々な安全装置を装備した、超大型ビル解体専用機『SK3500D』を開発しました。

 『SK3500D』は、大型クローラクレーンの安定性抜群な足廻りに、大型油圧ショベルの高出力パワープラント、更には当社特殊機械メニューで豊富な実績のある解体作業用アタッチメントや超ロングブームなどを採用した、まさにコベルコ技術の結晶であり、「解体機のコベルコ」を象徴するニューマシンの誕生といえます。

 本機は、高層ビルの解体作業だけでなく、解体対象の建物高さに応じてフロントアタッチメント及び圧砕機を組み換え、中低層ビルの解体工事をより効率的に行えるよう、多機能設計を施してマシンの稼働率向上にも配慮しています。

超大型ビル解体専用機「SK3500D」
      超大型ビル解体専用機
       「SK3500D」

『SK3500D』の主な特長は以下の通りです。

1)世界一の解体作業高さ65.03mを実現
ブーム3本とアームで構成される4つ折れ式アタッチメントの採用により、解体専用機としては世界一の作業高さ65.03mを実現。
21階建て程度のビルでも地上から直接解体作業が行えます。

2)12トン超大型圧砕機の搭載が可能
3つ折れアタッチメント(解体作業高さ41m仕様時)に組み換えることにより、質量12トンの圧砕機の搭載が可能。
SK3500Dの開発に合わせ超大型のコンクリート圧砕機KR1600TPR及び鉄骨カッタKS1300TPRを新規開発。
SK3500Dと組み合わせて使用することにより中低層ビルの解体を高効率に行えます。

3)アタッチメントの組立/分解作業を安全かつ容易に
アタッチメントの6箇所に当社が独自開発した内蔵油圧式脱着ピン(特許申請中)を採用。人力によるピン脱着を最小限に抑えているので、組立/分解作業が安全かつ容易に行えます。
クイックカプラ式のアタッチメント配管を採用し、配管接続作業の効率化を実現しました。

4)作業現場への分解輸送が容易
油圧シリンダによるクローラフレーム分離システムの採用、トランスリフタの装備により、アタッチメントの組立/分解のみならず、ベースマシン本体の組立/分解作業が容易に行えます。
回転収納式チルトキャブを採用し本体機械幅の輸送時制限をクリアしています。
本体は17個以上の部位に細かく分解できるため、トレーラの積載能力に応じた分解輸送が可能です。

5)高所作業が安心して行える二重・三重の安全設計
万一の油圧配管損傷時でもブーム落下を防止する為にカウンタバランス弁を全シリンダに装備した「落下防止装置」、許容角度を超えるとブザーで知らせる「車体傾斜警報装置」、アーム先端位置を自動検出して危険を知らせる「作業範囲警告装置」など様々な安全装置を装備。
運転室内からでもアタッチメント先端の状況確認や本体後方の安全確認が出来る様に、「作業先端確認カメラ」と「後方確認カメラ」を標準装備しています。

6)騒音や粉塵を抑制できる、作業現場周辺への気配り設計
低騒音設計だけでなく、本体後部からアーム先端まで散水ホースを配管しているので解体作業中に発生する粉塵も抑える事ができ、解体現場の周辺環境にも配慮しております。




 【『SK3500D』の主な仕様】

機種名 SK3500D
全装備質量 327.7トン
最大作業高さ 65.03m
旋回速後 1.8min-1(rpm)
走行速度 1.1km/h
接地圧 146kPa(1.49kgf/cm2



型式 いすゞ6WG1
定格出力 338kW/1,800min-1
(460PS/1,800rpm)
燃料タンク容量 985リットル



油圧ポンプ 形式 可変容量型アキシャルピストン式
設定圧 30.9MPa(315kgf/cm2
旋回モータ形式 アキシャルピストンモータ(2個)
走行モータ形式 アキシャルピストンモータ(2個)
作動油タンク容量 1,400L
標準販売価格 10億円(解体作業用アタッチメント込み)



 【ご参考: SK3500Dに装着する代表的な圧砕機の仕様】



型式 KR1000LPR-2
(4つ折れ式アタッチメント時)
KR1600TPR
(3つ折れ式アタッチメント時)
質量 2.87トン 12.0トン
旋回方式 自動 自動
破砕力 1,314kN 2,716kN
最大開口幅 1,000mm 1,600mm


 当社は今後とも、解体作業現場における高品質・高機能な解体機の開発を通じて、ビル解体業界の「地域社会との共生」を支援し、より快適な都市環境づくりに貢献していきたいと考えます。
 なお、本機の1号機は、当社グループが主催する「KOBELCO 秋の大展示会」にて展示公開しております。

<ご参考> 「KOBELCO 秋の大展示会」の開催スケジュール
    期日:10月22日(土)~10月23日(日)
    場所:コベルコ建機(株)市川センター(千葉県市川市二俣新町17)
    電話:047-328-7111

 以上

PAGE TOP