~内陸部と沿岸部の2拠点生産体制の本格化により、中国ショベル事業基盤を強化~
神戸製鋼グループのコベルコ建機(株)は、豊田通商(株)ならびに中国の投資会社との共同出資で浙江省杭州市に設立した重機ショベルの第2生産合弁会社『杭州神鋼建設機械有限公司』(以下 杭州神鋼)を、このほど本格稼働させます。
足元の中国におけるショベル需要回復に対応した施策であり、これにより、コベルコ建機は、四川省成都市で稼働している第1生産合弁会社『成都神鋼建設機械有限公司』(以下 成都神鋼)と合わせ、内陸部/沿岸部双方の需要に柔軟で的確な対応が可能になります。
1994年9月に日系建機メーカーとして初めて油圧ショベル合弁事業で中国に進出したコベルコ建機(当時は神戸製鋼の建設機械部門)は、当時国営企業であった「成都工程機械(集団)有限公司」との合弁で第1工場の成都神鋼を設立し、以来、お互いに信頼関係を深めながら、成長著しい中国建機市場とともに発展してまいりました。
このたび本格稼働する杭州神鋼は、中国国内向け、特に華東地区の需要に対して積極的に重機ショベルの提供を行います。また、沿岸部のメリットを生かして、東南アジアにもショベルの輸出を行ってまいります。
さらにはショベルの製缶構造物の供給基地として日本・米国への輸出も進めてまいります。グローバル最適生産体制の構築へ向け、ショベル用製缶構造物のうち一部のメニュー(アームと呼ばれる腕の部分や足回りなど)を杭州工場へ生産集約することで、各生産拠点のコスト競争力強化が図れます。
中国における重機ショベルのマーケットは、ここ数年間で急激に拡大(対1999年比で約5倍)しており、今では重機ショベルの新車販売台数で「日・欧・米・中」の4大マーケットの一角にまで成長しています。(2004年実績は4地区とも約2.5万台前後のマーケットで、合計すると約10万台強。世界全体の約8割に相当。)
2004年春以降、中国政府のマクロコントロールの影響により、需要が大幅に減少していましたが、今春頃からようやく、一時期凍結していた開発区の工事も再開し、前年同月比で重機ショベル販売台数が増加に転じるなど回復の兆候が表れており、今年も2004年並みの需要を見通せる状況になっています。
現在、中国では大型プロジェクトが目白押しで、北京オリンピックと上海万博の2件の投資額合計が、今後計画している全投資案件のうちの数%程度に過ぎないという状況であり、建機のマーケットは更に拡大していくものと考えられます。また、沿岸部だけでなく、西部大開発など内陸部の開発も活発化しております。
今後、コベルコ建機は、沿岸部と内陸部の双方に生産拠点を持つ優位性をフルに発揮し、中国全土のインフラ整備にますます貢献してまいりたいと思います。
以上
~ご参考~
【社 名】 |
: |
杭州神鋼建設機械有限公司 |
[英文名] Hangzhou Kobelco Construction Machinery Co.,Ltd. |
【所 在 地】 |
: |
浙江省杭州市 杭州経済技術開発区 |
【資 本 金】 |
: |
28.7百万ドル(約30億円) |
【株主構成】 |
: |
コベルコ建機 51%、 豊田通商 27%、
成都嘉力興投資有限公司 22% |
【設立時期】 |
: |
2003年12月30日(2005年3月より稼働開始) |
【董 事 長】 |
: |
山下 和則(コベルコ建機 理事、成都神鋼の副董事長 兼 総経理)
[総経理]: 木下 章 (コベルコ建機 杭州神鋼の董事 兼 総経理) |
【事業内容】 |
: |
建設機械(重機ショベル)の製造 |
【生産能力】 |
: |
年産2,000台 |
【敷地面積】 |
: |
30万m2 |
【従業員数】 |
: |
205名(05年10月時点) |
<これまでの中国における建機事業の取り組み>
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年 月 |
主な事業トピックス |
1994年9月 |
神戸製鋼と国営企業「成都工程機械(集団)有限公司」などでショベル生産合弁会社『成都神鋼』を設立 |
2003年8月 |
「成都工程機械(集団)有限公司」の民営化に伴い、コベルコ建機が資本参加し、『成都神鋼工程機械(集団)有限公司』を設立 |
2003年12月 |
コベルコ建機、豊田通商および中方投資会社「成都嘉力興投資有限公司」でショベル生産合弁会社『杭州神鋼』を設立 |
|
(1)【コベルコ建機の概要】
社名 |
: |
コベルコ建機株式会社 |
本社所在地 |
: |
東京本社)東京都品川区東五反田2丁目17番1号 |
代表取締役 |
: |
島田 博夫 |
創立 |
: |
1999年10月1日 |
資本金 |
: |
160億円 |
株主構成 |
: |
(株)神戸製鋼所 80%、CNHグループ 20% |
事業内容 |
: |
建設機械、運搬機械の製造、販売並びにサービス |
売上高 |
: |
1,745億円(連結)、1,117億円(単体) <2005年3月期> |
従業員数 |
: |
2,800名(連結)、600名(単体) <2005年4月時点> |
(2)【豊田通商の概要】
社名 |
: |
豊田通商株式会社 |
本社所在地 |
: |
名古屋本社)名古屋市中村区名駅四丁目9番8号 |
代表者 |
: |
取締役社長 清水 順三 |
創立 |
: |
1948年7月1日 |
資本金 |
: |
267億4千8百万円 |
株主構成 |
: |
トヨタ自動車 23%、豊田自動織機 13% |
事業内容 |
: |
金属、機械、車両、資材、燃料等の輸出入三国間取引、卸売、保険、建設等 |
売上高 |
: |
3兆3,315億円(連結)、2兆6,383億円(単体)<2005年3月期> |
従業員数 |
: |
13,981名(連結)、1,963(単体) <2005年3月末時点> |
(3)【成都嘉力興投資有限公司の概要】
社名 |
: |
成都嘉力興投資有限公司 |
所在地 |
: |
四川省成都市双流県東昇鎮清泰路30号 |
資本金 |
: |
53百万元(約6.9億円) |
株主構成 |
: |
成都衆創実業発展有限公司<*1> 51%、
成都森宇実業集団有限公司<*2> 49% |
設立時期 |
: |
2003年12月1日 |
代表者名 |
: |
王 錦(成都神鋼集団 董事長) |
事業内容 |
: |
商工業の企業投資・企画、コンサルティング |
<*1> 成都衆創実業発展有限公司 (Management&Employee Buy Out:MEBO) |
|
出資者 |
: |
王 錦(成都神鋼集団 董事長)、
その他 経営幹部など約30名で構成 |
<*2> 成都森宇実業集団有限公司 |
|
所在地 |
: |
四川省成都市人民南路四段53号嘉云台14楼 |
|
資本金 |
: |
30億円 |
|
設立時期 |
: |
1995年 |
|
董事長 |
: |
万 忠宇 |
|
事業内容 |
: |
中国各地区にて不動産開発事業を行っている民営会社 |
|
従業員数 |
: |
約500名 |
【成都神鋼工程機械(集団)有限公司の概要】 <建設機械の販売・サービス>
社名 |
: |
成都神鋼工程機械(集団)有限公司 |
[英文] CHENGDU KOBELCO CONSTRUCTION MACHINERY GROUP CO.,LTD. |
本社所在地 |
: |
四川省成都市成都経済技術開発区洪河中路1号 |
設立時期 |
: |
2003年8月12日 |
資本金 |
: |
56.5百万元(約790百万円) |
株主構成 |
: |
(中方)成都衆創実業発展有限公司<*1> (MEBO) 49%
成都市華盛(集団)実業投資有限公司<*3> 12%
(日方)コベルコ建機 34%、 豊田通商 5% |
事業内容 |
: |
持株会社機能、ショベル・ホイルローダーの販売・サービス |
董事長 |
: |
王 錦 |
従業員数 |
: |
320名 <05年9月末時点> |
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<*3>成都市華盛(集団)実業投資有限公司 |
|
設 立 |
: |
1993年 |
|
資本金 |
: |
7億円 |
|
総資産 |
: |
97.3億円 |
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事業内容 |
: |
不動産開発、建築/環境芸術プロジェクト、 |
|
董事長 |
: |
武 強 |
【成都神鋼建設機械有限公司の概要】<中国第1工場>
社名 |
: |
成都神鋼建設機械有限公司 |
[英文] CHENGDU KOBELCO CONSTRUCTION MACHINERY
CO.,LTD. |
所在地 |
: |
四川省成都市外錦江区三聖黄門舗 |
総経理 |
: |
山下 和則 |
設立時期 |
: |
1994年9月14日 |
資本金 |
: |
12百万USドル(約14億円) |
株主構成 |
: |
(日方) コベルコ建機 55%
(中方) 成都神鋼工程機械(集団)有限公司 45% |
事業内容 |
: |
建設機械(重機ショベル)の製造 |
生産能力 |
: |
年産2,000台 |
従業員数 |
: |
470名 <05年9月末時点> |
以上