2004年11月11日
コベルコ建機株式会社

2004年9月中間期 決算概要について

 【2004年9月中間期の概況】

 国内の建設機械市場は、公共工事が減少したものの、中古車の海外輸出等による国内ストック台数の減少、更新時期を迎えた機械の買い替え、排ガス規制対応などにより、堅調に推移しております。 また、海外においては、欧米ならびに東南アジアは回復基調、加えて中東、ロシア地域での市場伸長など、好調さを持続しており、近年急拡大してきた中国の需要が政府の金融引き締め策の影響で第2四半期以降大幅に冷え込んでいるものの、世界レベルでは需要拡大傾向にあります。

 2004年度4月より新体制としてスタートしましたコベルコ建機グループは、このような需要環境の下、世界的な建機需要の拡大をとらえて販売台数を着実に伸ばすとともに、将来のグローバル展開および収益力拡大へ向けて事業基盤の整備に注力しました。

<国内>
  (1)新型ミニショベル「ビートル」シリーズの投入による売上、シェア拡大
  (2)高まる環境ニーズに対応した環境リサイクルメニューの拡販
  (3)鋼材を中心とする購入資材費高騰の抑制および継続的なコストダウン活動の推進

<東南アジア>
 インドネシアでの拡販へ向けた拠点展開、ベトナムにおける現地法人設立

<中国>
 中国市場の急激な変化への対応および中国ビジネスの基盤整備
  (1)第2四半期以降の急激な需要低迷に対する迅速な減産対応
  (2)第二生産工場「杭州神鋼建設機械有限公司」(浙江省杭州市)の建設工事に着手

<欧米>
 旺盛な需要を背景としたCNHへのOEM供給拡大による収益力の向上

 特に国内および東南アジア、米国などでの大幅な販売台数増加や、中国第1四半期における販売拡大が収益面でも大きく貢献しました。また、資材費高騰の抑制、中国市場の変調に対する迅速な減産対応など、収益圧迫要因の圧縮にも取り組みました。
 これらの結果、2004年9月中間期(2004年4月~2004年9月)は、前年同期を大きく上回る利益を確保することができました。

<2004年9月中間期の実績> {単位:百万円、 ( )内は前年度比}
  売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
連結 当期 92,509
(△0.8%)
4,050
(+16.5%)
4,102
(+44.5%)
2,339
(+71.7%)
前期 93,260 3,476 2,838 1,362
単体 当期 57,195
(△9.5%)
2,576
(+60.1%)
2,518
(+54.8%)
1, 234
(+2.0%)
前期 63,229 1,609 1,627 1,210

 連結の売上高は、国内事業が449億円 (前年同期比 △6.8%)、海外事業が476億円(同 +5.6%)となり、全体としては925億円(同 △0.8%)となりました。
 財務面では、外部負債の圧縮および自己資本比率の向上に取り組み、更なる財務の健全化が図れました。

 【2004年度上期の事業別状況】

■国内事業
 国内新車需要の拡大をとらえて、重機ショベル、ミニショベルともに着実に販売台数を伸ばしました。特に今年5月に一斉にモデルチェンジした新型ミニショベル「ビートル」シリーズがユーザーから高い評価を得ており、ミニショベルの販売台数およびシェアの拡大に寄与しました。
  また、重機ショベルでは、自動車解体機や建物解体機など、当社が得意とするショベルをベースマシンとした環境リサイクルメニューの販売が引き続き好調に推移しました。
  さらにストックビジネスによる収益力の向上を図り、5月に神戸中古車センターを開設(尼崎から神戸ポートアイランドへ移設)し、また、教習所を2拠点(熊本、尼崎)新設するなど、ユーザー層の拡大に向けた体制整備にも取り組みました。
  生産面においても、国内および輸出機の旺盛な需要や新機種投入効果による受注拡大を背景として、積極的な増産対応に取り組みました。

■海外事業(中国事業を除く)
 海外においてはCNHとのグローバルアライアンスに基づき、(1)当社の主担当地域であるAPACエリアを中心とした事業展開、(2)欧米におけるCNHとの合弁事業の更なる強化に取り組みました。

 APACエリアのうち、ASEAN地域においては、需要が急回復してきたインドネシアでの積極的な拠点展開と販促活動が奏功し、新車の販売台数とシェアを大きく伸ばすことができました。また、中古車需要が堅調なベトナムにおいては、販売・サービス体制の更なる強化と将来の新車需要拡大に備えて、ホーチミン近郊に現地法人「コベルコ コンストラクション マシナリー ベトナム」を設立し、7月より操業を開始しました。また、豪州においても、重機ショベル、ミニショベルの需要拡大をとらえ、着実に新車の販売台数を伸ばしました。

 欧米におけるCNHとの合弁事業では、需要が旺盛な米国市場向けにOEM製品のメニューとボリュームを拡大しました。さらに欧州においては、OEM製品メニュー拡大に加え、イタリアの生産・販売拠点「フィアット コベルコ」への重機ショベル全8モデル(13トン~48トン)の技術移転を完了し、量産を開始しました。

 また、国内で販売好調な新型ミニショベル「ビートル」シリーズの海外への投入準備も着実に進展しており、下期中には全世界への供給を開始する計画です。

■中国事業
 足元の中国市場の急激な変化への対応を図るとともに、将来への更なる事業基盤強化を目指して、豊田通商(株)との共同による中国事業統括会社「成都神鋼工程機械(集団)有限公司」 への資本参加を足掛かりに、下記の諸施策を実践しました。

中国政府によるマクロコントロールが続く中、第2四半期以降は特に適正在庫を重視し、現地での合弁生産機の大幅な減産や、日本からの輸入機抑制を行いました。
第二生産工場「杭州神鋼建設機械有限公司」の建設工事は順調に進捗しています。
販売面については、中国事業統括会社「成都神鋼工程機械(集団)有限公司」への経営参画を通じて、債権保全強化を図りつつ、販売網の強化にも取り組んでおります。
更なるサービス体制の充実を目指して、サービス拠点の拡充を図るとともに、05年1月からのGPS機能の標準搭載へ向けてサービスプログラムを開発し、本格導入の準備を進めました。


 【今後の重点課題と2004年度の見通し】

 下期も引き続き、世界的な建機需要は好調に推移すると予想されます。しかしながら、中国政府によるマクロコントロールの継続や、鋼材を中心とする購入資材費の高騰による影響など懸念される要因もあり、当社としては、これらの環境変化を見極めながら、慎重かつ迅速に事業を進めてまいります。特に中国事業に関しては、市場の変化に応じて、生産調整並びに第二生産工場(杭州市)の本格量産開始時期の見極め、又債権管理の更なる強化を進めて行きます。
 04年度通期の業績見通しについては、下記の重点課題に取り組むことで、前年度並の利益確保を見込んでおります。

<重点取り組み課題>

調達力強化とコストダウン活動の推進、資材費高騰を背景とした国内外での販売価格是正
新型ミニショベル「ビートル」シリーズの更なる拡販、グローバル展開
環境リサイクル分野の開発/販売体制の強化
中国事業合弁パートナーとの連携による生産・販売 両面でのリスク管理力/トータルマネージメント力の強化

<2004年度通期の見通し>

■連結 {単位:百万円、 ( )内は前年度比}
  売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2004年度通期予想 175,000
(△4.9%)
6,700
(△16.9%)
6,300
(+2.4%)
4,000
(+41.6%)
2003年度通期実績 183,987 8,067 6,150 2,824

■単体 {単位:百万円、 ( )内は前年度比}
  売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2004年度通期予想 110,000
(△14.4%)
4,300
(+10.0%)
4,100
(+24.7%)
2, 300
(+8.4%)
2003年度通期実績 128,524 3,910 3,287 2,121

*2004年度下期における為替レート前提:1米ドル=107.5円、1ユーロ=130円

 以上

○決算発表関連資料はこちら
  ◇決算短信(連結・単体)へ

■会社概要
社   名 コベルコ建機株式会社
英 社 名 KOBELCO CONSTRUCTION MACHINERY CO.,LTD.
創    立 1999年10月1日
本社所在地 東京本社:東京都品川区東五反田2-17-1 
TEL 03-5789-2111(代表)
資 本 金 160億円 
(株)神戸製鋼所 80%、CNHグループ 20%
代表取締役 島田 博夫(しまだ ひろお)
事業内容 建設機械、運搬機械の製造、販売並びにサービス

PAGE TOP