2003年11月17日
コベルコ建機株式会社 2003年9月中間期 決算発表について【2003年9月中間期の概況】 世界の機械市場は、インフラ整備や都市開発の活発化によって急拡大する中国市場、インドネシアを中心に堅調に推移している東南アジア、緩やかな回復基調に転じた北米市場など、総じて明るい兆候が見えてきました。また、国内市場においても、4-9月の建設機械需要が前年同月比で6カ月間連続のプラスとなり、ようやく底打ち感が出てきました。 この様な事業環境変化の下、コベルコ建機グループは、「経営のスピードアップ」をモットーに、将来のグローバル展開へ向けた事業基盤整備に鋭意取り組んでまいりました。
また、国内においては、高まる環境ニーズや社会ニーズに対応した、独創的で付加価値の高い新製品を相次いで開発し、市場へ投入致しました。
以上の様な、ユーザーニーズに対応した高付加価値商品の新規投入に加え、レンタル会社向けを始めとする積極的な営業展開が奏功したことにより、旗艦メニューの重機ショベルでは国内の目標シェア15%を達成し、クローラクレーンでは当中間期にシェア40%強と国内トップの座を奪還することができました。 当中間期においては、中国を始めとする海外現地生産および完成機輸出が好調に推移したことに加え、国内向け新車需要が回復してきたこともあって、国内・海外すべての主要エリアで新車販売量を拡大することが出来ました。更には中古車・部品・整備などストックビジネスによる収益力向上、海外生産向けCKD部品収益・技術料収入(ロイヤリティ)の拡大などが寄与し、前年同期比で大幅な増収増益となりました。 2003年9月中間期(2003年4月~9月)の業績は、以下の通りです。
連結の売上高では、海外事業が450億円(前年同期比 +48.4%)、 国内事業が482億円 (同 +12.2%)とともに増え、全体としては932億円(同 +27.2%)となりました。 財務面では、事業規模拡大に伴う運転資金の増加によりフリーキャッシュフローは若干のプラスにとどまりましたが、商社金融の活用による売上債権の流動化のスキームを完成させるとともに、資金調達の多様化に向けて「格付け」を取得するなど、下期以降の財務体質改善を確実なものにしました。 なお、配当については、昨年度を上回る配当を年度末に実施する予定です。 【2003年度上期の事業別状況】 ■中国事業 前述の事業基盤整備に加え、
などを中国合弁パートナーと共に推進し、生産・販売およびサービス体制を強化しました。これらの取り組みにより、2003年上期の中国における油圧ショベルの新車販売台数は、大幅に拡大(対前年同期比2.1倍)し、同時にシェアの向上が図れました。 ■海外事業 (中国事業を除く) 海外のショベル事業については、(1)当社の主担当地域であるAPACエリアを中心とした事業展開、(2)CNHとのグローバルアライアンスに基づく欧米での合弁事業に取り組みました。 APACエリアの事業展開として、ASEAN地域においては、需要が回復したインドネシアにおける拠点の増強や、ベトナムにホーチミンに続く第2拠点としてハノイ事務所を設置するなど、流通強化に取り組んだ結果、重機ショベルのシェアアップが図れました。さらに景気拡大が続く豪州では、CNH製品の販売が好調に推移して大幅な売上拡大となりました。 欧米でのCNHとの合弁事業では、イタリアの生産・販売拠点「Fiat Kobelco」への技術移転が順調に進展し、重機ショベルのメニュー追加およびミニショベルの量産開始など現地生産メニューのラインナップを拡充できました。また、欧米を軸としたCNHルートへのOEM製品の供給も好調に推移した結果、技術料収入の拡大による収益基盤強化が図れました。 海外のクレーン事業については、クローラクレーンの海外市場開拓に積極的に取り組みました。特に中国のプロジェクト案件向けや韓国の造船業向けに大型機の販売が好調に推移しました。 また、欧米におけるクローラクレーンの販売体制強化の一環として、両地域にクレーン専門の販売会社(米国:KCNA、英国:KCE)を設立し、流通網の整備・強化を図りました。
国内事業では、新車ストック台数が減少するなかで、中古車・部品・整備などストックビジネスによる収益力の向上に取り組みました。特に海外市場からの需要が旺盛な中古車ビジネスについては、中古車取り扱い量を拡大させるとともに、海外自社ネットワークを活用した直貿易率のアップにより中古車価格を改善しました。更なる事業の効率化を目指して、9月末には中古建設機械事業を専門的に運営する新会社「コベルコ建機インターナショナルトレーディング(株)」を設立致しました。 一方、フロービジネスでは、高まる環境ニーズに対応した業界初のオートアイドルストップ機能付き重機ショベルや国内最大級のテレスコピッククローラクレーンなど独創的な高付加価値商品を開発し、新たに市場へ投入しました。また、需要が旺盛な環境リサイクル分野においては、ホイール式スクラップローダや自動車リサイクル関連メニューなど、新製品の品揃え強化に注力致しました。 【今後の重点課題と2003年度の見通し】 当社は2003年度をコベルコ建機の第二期「発展期」と位置付け、今後更にグローバルな観点から開発・生産・販売・サービス体制を強化し、国際建機市場での地位を高めていきます。
<2003年度通期の見通し>
以上 ○決算発表関連資料はこちら
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