2002年12月18日
コベルコ建機株式会社
50トンクラス シティコンシャスクレーン『パンサー500』の開発・販売について
コベルコ建機株式会社(本社:東京都品川区、社長:石田 孝)は、このほどシティコンシャスクレーン*1
『パンサー500 SEエディション』を開発し、12月19日より販売を開始致します。今回販売する『パンサー500 SEエディション』は、1997年11月に販売を開始した同機のモデルチェンジ機で、排ガス2次規制対応に加え、基礎土木作業に適した高剛性と、優れたクレーン操作性能と走行性能を実現しています。
販売価格および販売目標台数は以下の通りです。
機種名 |
パンサー500 SEエディション |
クレーン能力 |
51t × 2.9m |
販売価格 |
7,850万円(STDジブ) |
販売目標台数 |
40台/年 |
販売開始時期 |
12月19日 |
今回のモデルチェンジは、"建て方作業だけでなく基礎土木作業にも万能に対応でき、かつ環境に配慮した50トンクラスのシティコンシャスクレーン" を商品コンセプトに開発致しました。また、従来機種で定評のあった性能・機能(クレーン性能、操作性、高い剛性等)を継承しつつ、油圧サーボ式旋回操作方式などの新たな機能を加えて操作性も向上させました。更にクラス最大の高出力エンジンの搭載により、走行性能も大幅に向上しました。
もちろん時代のニーズにも応じており、国土交通省の排ガス2次規制対策型建設機械や低騒音型建設機械の認定を受ける事だけにとどまらず、稼働、点検整備、サービスの全てにコスト低減を徹底し、生涯コストパフォーマンスの向上を追求しています。
[語句説明]
*1 シティコンシャスクレーン:
「荒れ地で使われるクレーン」という意味の「ラフテレーンクレーン」ではなく、都市で使われるクレーンに相応しい名称として名付けた当社独自の名称。 |
『パンサー500 SEエディション』の主な特長
(1)基礎土木作業にも万能に対応 / 定評ある高剛性と操作性を更に向上
[1] |
高剛性フレーム・強化型ブームの採用
○ |
アッパーフレーム、キャリアフレームの構造を変更し、より高い剛性を確保。 |
○ |
基礎土木作業を想定したブーム構造の強度UPにより、バイブロはもとよりオーガ・モンケン、クラムセルの基礎作業アタッチメントが装着可能になりました。また、クレーン作業時のたわみが少ないため、高揚程作業でも位置決めが簡単に行えます。 |
|
[2] |
リンク式クレーン操作方式を継承
動きが手に直接伝わるので、微妙な位置合わせなどが思い通りに出来ます。 |
[3] |
油圧サーボ式旋回操作方式 (特許出願中)
旋回自動停止等の安全機能を活かしながら、リンク式の微操作性を確保しています。 |
[4] |
高ラインプルウインチの採用
(主巻、補巻とも 従来機4.5トン ⇒ 5.0トンにUP)
ラインプル能力(ロープ1本当りの張力)を向上させることで、補助シーブの能力アップを実現。 |
(2)ハイパワーエンジンの搭載により走行安定性を大幅アップ
[1] |
クラストップのハイパワーエンジン搭載 272kW{370PS}(最大トルクで従来機比約11%UP)
登坂能力の大幅な向上に加え、発進/停止を繰り返す市街地でもスムーズに走行できます。 |
[2] |
滑らかな変速を実現する電子制御4速トランスミッションの採用
前進4速のフルオートマチック式で、乗用車並みの快適な走行が行えます。 |
[3] |
大きな制動力を生む補助ブレーキ機構を採用
駆動軸にブレーキをかける流体式リターダを標準装備。
電子制御によるトルコンロックアップ
連動の排気ブレーキと合わせて、確かなブレーキ効果を発揮し、長い下り坂でも安心です。 |
(3)先進制御の予防保全機能で安全にも配慮
[1] |
新旋回自動停止装置の採用
旋回で転倒の危険が生じる角度を事前に算出し、手前から減速して荷振れなく停止させる機能を、さらに使いやすくなるようにオペレータの操作自由度を広げました。 |
[2] |
狭い現場での接触を防止できる作動範囲制限装置
旋回角度やブーム高さなど、あらかじめ設定した領域を越えないように作動範囲を制限できるため、狭隘地や電線などがある現場での繰り替えし作業も、安全に効率よく行えます。 |
[3] |
目視による安全確認を容易に
サッシレスウインドウの採用と天井ガラスのフラット化により、広々とした作業視界を確保。
また、走行時の運転席左側視界も広げたので、左折時の安全確保が容易になりました。 |
(4)生涯コストパフォーマンスの向上
[1] |
走行時の燃費を大幅に向上
電子ガバナ制御エンジンとトランスミッション変速制御の最適化により、走行時の燃費を従来機比で約 12%も向上しました。 |
[2] |
各部の耐久性向上
タイヤフェンダにはアルミを採用し、さらにカチオン塗装で防錆性を向上。
マフラーにはステンレス製パイプとアルミ製カバーを採用しました。 |
[3] |
給脂作業を省力化
キャリア、旋回ベアリングともに1カ所集中給脂を実現し、オプションでは電動式も設定しました。
また、ブーム起伏シリンダと走行トルクロッドには無給脂ブッシュを採用しました。 |
『パンサー500 SEエディション』の主要諸元
機種名 |
パンサー500 SEエディション |
型式名 |
RK500-2 |
最大吊上能力 |
51トン×2.9m |
ブーム長さ(ジブ長さ) m |
10.2~39.0 (9.0/15.0) |
最大地上揚程(主フック/ジブ) m |
40.2/54.9 |
最大作業半径(ブーム/ジブ) |
34.0/38.8 |
後端旋回半径 mm |
3,630 |
エンジン最高出力 kW/min-1
{PS/rpm} |
272/2,000
{370/2,000} |
最大トルク N・m/min-1
{kgf・m/rpm} |
1,470/1,100
{150/1,100} |
全長×全幅×全高 mm (mm) |
12,330×2,960×3,685 |
全質量 (kg) |
38,895 |
単位は国際単位系のSI単位表示で、{ }内は従来表示です。 |
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