2002年7月25日
コベルコ建機株式会社

超大型ビル解体専用機『SK1600D』の開発・販売開始について

~世界一の作業高さ50m超を実現! 渡辺解体興業(株)殿より1号機受注!~

 コベルコ建機株式会社(本社:東京都品川区、社長:石田 孝)はこのほど、世界一の解体作業高さ50m超を実現した超大型ビル解体専用機『SK1600D』を開発し、7月26日より販売を開始します。
 本機の第1号機は、国内最大手の解体業者である渡辺解体興業(株)(本社:東京都江東区、社長:渡邊 龍一)殿から既に発注を頂いております。

 近年、都市部での再開発事業においては、老朽化した既存諸施設の積極的な解体再生などによる都市空間の有効活用が不可欠となっております。特に代表的な解体対象となるビル自体の高層化、基礎コンクリートの大型化、およびコンクリートの高強度化などにより、ビル解体作業はますます複雑化が進んでおり、これらに対応できる能力の高い大型マシンの導入が求められております。

  ビル等の解体工事では、従来、25m(ビル7~9階)程度の高さまでは40トンクラスの油圧ショベルをベースにした解体専用機で地上から直接解体するのが一般的です。 しかし、それ以上の高さでは、止む無く解体機をクレーンで屋上まで運び、上部から解体を進めなければならず、必然的に作業の手間や日数が増えてしまうため、ユーザーからは、高層ビルでも地上から直接解体作業が行える機械の開発が望まれていました。

 そこで当社では、地上高さ50m(およそ17階建てビルに相当)でも安全かつパワフルで効率良く高所解体作業が出来るように、広スパン・低重心で安定性が極めて高いクローラクレーン(100t吊り)の足廻りを採用し、様々な安全装置を装備した、超大型ビル解体専用機『SK1600D』を開発しました。 『SK1600D』は、大型クローラクレーンの安定性抜群な足廻りに、大型油圧ショベルの高出力パワープラント、更には当社特殊機械メニューで豊富な実績のある解体作業用アタッチメントや超ロングブームなどを採用した、まさにコベルコ技術の結晶であり、「解体機のコベルコ」を象徴するニューマシンの誕生といえます。 
 本機は、高層ビルの解体作業だけでなく、中高層ビルの解体工事や他の一般掘削工事など広範囲な建設工事にも対応できるよう、多機能かつ多用途設計を施し、マシンの稼働率向上にも配慮しています。                      

超大型ビル解体専用機『SK1600D』

『SK1600D』の主な特長は以下の通りです。

1)世界一の解体作業高さ50.86mを実現
ブーム3本とアームで構成される4つ折れ式アタッチメントの採用により、解体専用機としては世界一の作業高さ50.86mを実現。

17階建て程度のビルでも地上から直接解体作業が行えます。

2)超高出力パワープラントと変幻自在なアタッチメントでパワフルかつ高効率な作業能力を発揮
ブーム、アームの組み合わせや、ブーム長さの変更およびフロントアタッチメントを交換することにより、高層ビル解体から基礎解体、バケット作業まで様々な作業が効率よく行えます。

特に低所解体では大型の破砕機を装着して高効率な解体作業が行えます。

3)高所作業が安心して行える二重・三重の安全設計
万一の油圧配管損傷時でもブーム落下を防止する為にカウンタバランス弁を全シリンダに装備した「落下防止装置」、許容角度を超えるとブザーで知らせる「車体傾斜警報装置」、アーム先端位置を自動検出して危険を知らせる「転倒防止警報装置」や、誤作動防止の為の各種「操作ロック装置」など様々な安全装置を装備。

運転室内からでもアタッチメント先端の状況確認や本体後方の安全確認が出来る様に、「作業先端確認カメラ」と「後方確認カメラ」を標準装備しています。

4)騒音や粉塵を抑制できる、作業現場周辺への気配り設計
低騒音設計だけでなく、本体後部からアーム先端まで散水ホースを配管しているので解体作業中に発生する粉塵も抑える事ができ、解体現場の周辺環境にも配慮しております。

5)「チルトキャブ」や「ダブルスライドシート」などの採用で、快適な運転姿勢を実現
オペレータの上方視界確保のため、キャブ全体が30度傾斜できる「チルトキャブ」を採用。長時間でも楽な姿勢で高所作業が行えます。

運転席は高所作業に適した視界の広いラウンドタイプを採用。室内はエアコン装備、ダブルスライドシートの採用で快適な作業が行えます。

6)作業現場への分解輸送が容易
油圧シリンダによるクローラフレーム分離システムの採用、トランスリフタの装備およびクイックカプラ式のアタッチメント配管接続により、分解・組立て作業が簡単に行えます。

本体は14個以上の部位に細かく分解できるため、トレーラの積載能力に応じた分解輸送が可能です。

トランスリフタの使用により、本体部のトレーラへの積み込み作業がクレーン無しで容易に行えます。

<『SK1600D』の主な仕様>

機種名

SK1600D
全装備質量 166.2トン
最大作業高さ 50.86m
旋回速後 1.8min-1(rpm)
走行速度  0.8km/h
登坂能力 走行姿勢時47%(25度)
接地圧 126kPa(1.28kgf/cm2)
●エンジン  
  型式  いすゞ6WG1
  定格出力 338kW/1,800min-1
(460PS/1,800rpm)
  燃料タンク容量  990リットル
油圧作動油
(全量/タンク内)
2,000L/1,000L
●破砕機  
  ニブラー型式 KR1000LPR-2(4つ折れ式アタッチメント時)
  質量  2,870kg
  旋回方式 自動
  破砕力 1,314kN
  最大開口幅 1,000mm

 当社は今後とも、解体作業現場における高品質・高機能な解体機の開発を通じて、ビル解体業界の「地域社会との共生」を支援し、より快適な都市環境づくりに貢献していきたいと考えます。

 なお、本機の1号機は、当社グループが主催する「KOBELCO 大展示会」にて展示公開する予定です。

(ご参考)
「KOBELCO 大展示会」の開催スケジュール

期日:7月27日(土)~7月28日(日) 
場所:コベルコ建機(株)市川センター(千葉県市川市二俣新町17) 
電話:047-328-7111


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