2002年5月13日
コベルコ建機株式会社 2002年3月期 決算発表について【2001年度概況】 国内の建設機械市場は、公共工事の抑制並びに民間建設工事の低迷やレンタル業者の設備投資意欲の減退等により、ショベル・クレーン共に総需要は前年を大幅に下回る結果となりました。 一方、海外では、欧米の建設機械需要が頭打ち状態となっている中、中国市場は前年度比40%強の増加を継続し、東南アジア市場でも回復の兆しが見えてきましたが、国内外主要市場での需要低迷をカバーできるレベルにはなく、当年度における当社を取り巻く事業環境は厳しいものとなりました。 そのような状況下、当社は収益の源泉を既存メニューの新車販売から部品・中古車・整備といったストックビジネスに求めるとともに、フローでは環境リサイクル等の周辺市場に展開をはかりました。 一方、事業コストの圧縮という観点からは、クレーン工場の拠点統合やショベル/クレーンの販売・サービスの組織再編・統合を実施し、開発プロセス変革・リードタイム短縮・物流改善といった種々の事業運営効率アップのテーマにも取り組んでまいりました。 また、海外に於いては、拡大する中国市場への積極的な取り組み、東南アジア地域の直営中古車センターの開設(シンガポール)、円安効果を生かした欧米への拡販施策等をおこなってまいりました。 2002年1月に本格スタートしたCNH社とのグローバルアライアンスに基づいた、欧州生産機の開発およびCNHメニューの販売準備の開始、(株)タダノ社との提携機の生産販売の開始、ボーマク社との道路機械の販売提携の締結など、グローバルなリーディングカンパニーに向けた種々の取り組みを本格的に開始致しました。 この結果、2002年3月期(2001年4月~2002年3月)の連結決算は、売上高1,483億円、営業利益18.6億円、経常利益6.6億円、当期利益0.3億円となっており、厳しい事業環境下ではありますが、2001年度においても、経常利益ベースでは新会社設立時より継続して収益を確保する事ができました。新会社設立以降取り組んできた種々の事業体質強化策が着々と成果をだしているものと認識しております。また単体での決算は、売上高884億円、営業利益13.2億円、経常利益5.8億円、当期利益3.8億円となっております。 なお連結キャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフロー108億円、投資活動による支出が 28億円、財務活動による支出が49億円となりました。
【2001年度 部門別の状況】 2001年度の部門別の状況は以下の通りです。 『ショベル事業』 国内市場環境は好転せず厳しい状況が続いておりますが、フロービジネスでは新機種の上市(グランビートルシリーズ及びダイナミックアセラシリーズの2次排ガス対応を含めたブラッシュアップ)や、CNHおよびボーマク社との提携によるメニュー拡大で商品品揃えを強化致しました。一方、商品ライフサイクルでビジネスを捉えるべく部品、整備、再生、中古車といったストックビジネスへの取り組みも強化致しました。 海外への拠点展開では、生産・販売面だけでなく部品生産拠点化にも取り組み(TKCM)、コストダウンへの施策も積極的に推進してきたことで、国内総需要の減少による売上、損益影響を最小限に留めることができました。 この結果、連結の売上高は1,262億円となりました。 『クレーン事業』 ショベル事業同様、国内の需要環境の悪化は止まらずクローラクレーン、ラフテレーンクレーンともに依然厳しい状況が続いております。 このような劣悪な事業環境下、昨年9月にクレーン生産拠点統合、ショベルとのサービス組織の統合を実施しました。またこの4月からは販売の再編・統合も行い事業コストの圧縮を図りました。 新機種では、(株)タダノ社との提携後(キャリヤ部の生産委託やクレーン部品の共同購買等)第一弾の機種となる25tラフテレーンクレーンの生産・販売を開始致しました。また、クローラクレーンにおいては、北米、欧州それぞれのエリアニーズに合致した新機種を投入することにより、海外での販売台数を確保致しました。 この結果、連結の売上高は221億円となりました。 【今後の課題と2002年度の見通し】 <今後の課題> 国内では公共工事の縮小や民間建設工事の低迷が継続すると予想され、また海外においても、欧米市場の急激な拡大が望めないことから、中国市場の拡大と東南アジアの回復が望めるものの、事業環境は厳しい状況が継続すると思われます。 そのような厳しい事業環境が継続する中、2001年度に立案した中期経営計画に基づき、 (1)CNH社・タダノ社との提携効果の最大化
(2)販売・サービス拠点の統廃合による更なる固定費の削減 (3)需要構造の変化への対応
(4)事業体質強化
の4点を目標とした種々の施策を強力に推進し、事業競争力の強化を図ってまいります。 <2002年度の見通し> 中期経営計画を着実に実践することにより、2002年度の業績は、連結では売上高 1,450億円、営業利益 25.5億円、 経常利益 13.5億円、 当期利益 3億円、 単体では売上高 950億円、営業利益 14.2億円、経常利益 6.9億円、当期利益 1億円を見込んでおります。
尚、本業績見通しにおける為替レートは、1米ドル=125円、1ユーロ=110円を前提としています。 以上 ○決算短信はこちら ⇒◇決算短信(連結・単体)へ
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