昨年、株式会社神戸製鋼所(社長:水越 浩士、以下:神戸製鋼)及びコベルコ建機株式会社(社長:森脇 亞人、以下:コベルコ建機)は、Fiatグループの農業機械・建設機械メーカーであるCNH
Global N.V.社(社長:Paolo Monferino、以下:CNH)との間で、建設機械事業におけるグローバルアライアンスを行うことで基本合意書に調印致しましたが、この度、各国政府からの種々認可取得したことを受け、本日、相互出資を実行し本提携が本格的にスタート致しましたことを御報告申し上げます。
今回、コベルコ建機は、既存の販売流通拠点に加えて、オセアニア、東南アジア、中国におけるCNH建機事業の販売流通拠点を全て取得致しました。これにより、日本を含めたアジア、オセアニア、東南アジア、中国の全地域においてフルライナ-となり、多様な顧客ニ-ズに幅広く対応することが可能となりました。
また、欧米においては、重機ショベルとミニショベルの開発・製造・販売に関して、世界規模で実質的な提携を開始致します。加えて、欧州においては、コベルコ建機として念願であったトップレベルの生産拠点を確保する事になり、これにより欧米及び日本の3大マーケット全てにおいて生産拠点を確保できた事になります。
本提携は、世界第3位の建設機械メ-カ-であるCNHと、世界第4位の油圧ショベルメ-カ-であるコベルコ建機が手を結ぶことであり、油圧ショベルでの技術力の向上、規模の拡大による経済性の追求、調達・製造面での効率化、販売網の拡充等により、競争力を更に強化して参ります。
今後は、下記のスケジュ-ルにより提携関係を強化して参ります。
1.第1段階(今回の相互出資)
今回、コベルコ建機は、CNHが運営しているオセアニア、東南アジア、中国における建設機械事業の販売拠点を100%買収致しました。加えて、コベルコ建機は、CNH建機メニュ-の同地域での独占販売権を獲得致しました。
神戸製鋼は、保有するコベルコ建機の発行済株式の10%、及び北米の製造販売拠点であるKobelco Construction
Machinery America LLCの発行済株式の65%をCNHに譲渡致しました。
2.第2段階
2002年の第3四半期には、CNHとコベルコ建機は、生産販売を行う合弁会社Fiat-Kobelco Construction Machinery
S.p.A(以下:Fiat-Kobelco)を設立し、コベルコ建機は同社の発行済株式の20%を取得致します。
Fiat-Kobelcoでは、「Fiat-Kobelco」ブランドの建設機械を製造販売致します。また同時に、コベルコ建機の販売拠点であるKobelco
Construction Machinery (Europe)B.V.は、Fiat-Kobelcoの傘下に入り引き続き「Kobelco」ブランドの油圧ショベルが販売される事になります。加えて、CNHグループが生産する油圧ショベル以外の建設機械を「Fiat-Kobelco」ブランドで販売致します。
なお、CNHと日立建機株式会社は、現状の欧州における提携を終了する事で合意致しております。 CNHは同社発行済株式の75%を所有し、住友商事は引き続き5%を所有致します。
また同時期においてCNHは、コベルコ建機の発行済株式の持分比率を20%まで増加致します。
3.第3段階
2004年第3四半期には、コベルコ建機は、Fiat-Kobelcoの発行済株式の持分比率を35%まで増加させるオプション権があります。また、同時期にCNHは、コベルコ建機の発行済株式の持分比率を35%まで増加させるオプション権があります。
これにより65:35、35:65という株式持合いで、イコールパートナーとしての全世界提携が完成致します。
加えて、世界第3位の建設機械メーカーであるCNHと、油圧ショベルメーカーとしては世界第4位のコベルコ建機がグローバルパートナーとなることで、世界3大建設機械メーカーの一角としての地位が更に強固なものになります。これにより、神戸製鋼グループにおける建設機械事業の競争力が飛躍的に高まります。加えて、全ての資本提携が完了した時点で、連結の税引き前利益で200億円弱、キャッシュフローで200億円強の効果が見込まれ、グループの体質強化に繋がります。
なお、CNHとコベルコ建機は、相互に役員派遣を行いますが、今回コベルコ建機への10%出資に伴い、CNHは山下宏氏(詳細下記)を非常勤の取締役として派遣致しました。
以上
『山下 宏 略歴』
氏 名 |
山下 宏 (やました ひろし) |
生年月日 |
昭和7年6月25日 (69歳) |
出 身 地 |
福岡県 |
学 歴 |
昭和30年 3月 東京大学法学部卒 |
主
な
略
歴
|
昭和30年 4月 |
キリンビール株式会社 入社 |
昭和35年~36年 |
ウイスコンシン大学 大学院(フルブライト留学) |
昭和44年11月 |
スペリー・ユニバック社 入社 |
昭和47年 4月 |
日本ユニバック株式会社へ移籍 |
昭和55年 4月 |
米国ハネウェル社に入社し、
日本ハネウェル インフォメーション システムズ(株) 副社長、社長を歴任 |
昭和60年 6月 |
米国ハネウェル社 副社長として
インフォメーション システム インターナショナル、国際事業開発を担当 |
昭和63年 6月 |
同社 副社長として
アジア・ジョイント ベンチャー オペレーション
及び 駐日代表(山武ハネウェル社 副社長 兼務) を歴任 |
平成 8年 7月 |
米国ハネウェル社 退社 |
平成 2年 |
ミネソタ州政府駐日代表事務所代表 |
|
アメリカ州政府在日事務所協議会会長 も兼任し現在に到る |
平成14年 1月 |
非常勤として当社 取締役に就任 |
■CNHの概要
社 名 |
CNH Global N.V. |
設 立 |
1999年11月(Case Corporation社とNew Holland N.V.社が合併) |
本 社 |
米国ウィスコンシン州ラシーン市(登記上の本社はオランダ) |
社 長 |
Paolo Monferino |
事業内容 |
農業機械(売上高世界第1位)、建設機械、金融サービス |
従 業 員 |
約35,000名 |
売 上 高 |
100億USドル(2000年12月期) 内建機事業は約35% |
主要株主 |
New Holland Holdings社71.42% ニューヨーク証券取引所上場
(New Holland Holdings社はFiat社の100%出資) |
ホームページ |
http://www.cnh.com/ |
■コベルコ建機の概要
社 名 |
コベルコ建機株式会社 |
設 立 |
1999年10月(神戸製鋼の建設機械部門が独立) |
本 社 |
東京都品川区東五反田2丁目17番1号(電話番号 03-5789-2111) |
社 長 |
森脇 亞人(もりわき つぐと) |
事業内容 |
建設機械の製造、販売並びにサービス |
従 業 員 |
約850名(グループトータル約2,400名) |
売 上 高 |
単体:1,040億円 連結:1,584億円(2001年3月期) |
主要株主 |
160億円(神戸製鋼所90% CNHグループ10%) |