2001年11月7日
コベルコ建機株式会社

中期経営計画(2001~2005年)

 当社は設立3年目を迎え、CNHとの世界提携を機にグローバルなリィーディングカンパニーを目指した中期経営計画を策定致しました。

 中期計画の骨子は下記の通りです。

【市場、事業環境の現状認識】

 我々を取り巻く事業環境は、国内では、公共事業の見直しや民間設備投資の長期低迷により建設工事は低調に推移しております。また海外においても、北米での景気後退の加速、欧州の建機需要の頭打ちなど、今後とも既存メニューの新車事業においては台数、収益とも厳しい環境と言えます。

【進むべき方向性】

 上記の様な事業環境の変化に対応するため、従来取り組んでいる種々の事業コスト圧縮策にとどまらず、抜本的な収益構造の変革を進めていく事が急務であり、次に述べるテーマを中心に積極展開を図っていきます。

【重点実施課題】

 本計画において、下記を重点実施課題と位置付けております。

・提携の推進
(売上高:130億円の増収、営業利益:12億円の増益)

 現在包括提携を結んでいるCNH社、並びにラフテレーンクレーンの生産面で業務提携を結んでいるタダノ社との提携を積極的に推進し、収益拡大を図っていきます。CNH社との包括提携においては、世界第3位の建機メーカーの地位を確固たるものとしていきます。またCNH社との提携では、生産量及び販売量の増加によるボリュームメリットを生かしたコストダウンの実施、日本を含むAPAC地域でのCNH製新メニューの販売に加えて、ロイヤリティーやCKD部品の増加等、開発/生産/販売面全体での収益拡大を図ります。タダノ社との提携においてはキャリア部(走行部)の生産委託によるコストダウンにとどまらず、部品の共同購入等得意分野を相互共有することにより事業競争力の向上を図っていきます。

・フローからストックへの変革
(売上高:57億円の増収、営業利益:12億円の増益)

 既存メニューの新車販売における環境は厳しく、従来メニューでの新車販売中心である現在の事業体のままでは安定的に収益を確保していくことには限界があります。その様な需要環境の変化に対応するために、新規メニューの開発に加えて新車販売(フロー)中心の事業構造から、中古車販売、補給部品、整備事業等、市場(ストック)から収益を獲得する構造への変換を積極的に推進してまいります。

・新分野商品の拡大
(売上高:100億円の増収、営業利益:10億円の増益)

 当社の強みでもある環境リサイクル分野(解体/スクラップ)にも注力していきます。また新規需要の創出のために、既存のクレーンやショベルの技術とCNHメニューを融合させた新メニューの開発も積極的に行っていきます。

レンタル事業

 レンタル化伸張によりレンタル市場の占有率が市場シェアに直結している中、競合他社の直レンタルに対抗できる体制構築が必要で、当社は直レンタルは行わないという従来の方針を継続し、今後も独自のグループ運営(コベルコレンタルネットワーク)を拡大、強化していきます。

・開発・生産の変革によるトータルコストの削減
(変動費削減:60億円)

 開発面においては、3D-CADを活用して事前解析を行い開発工数を削減するなどの効率化を図っていきます。加えてモジュール設計、部品の共通化による部品点数削減等にも積極的に取り組みます。
 従来のコストダウンとは異なり、開発購買/グローバル最適調達/モジュール設計/機種統合の推進によるトータルコストダウンを推進していきます。

・企業体質強化

 企業体質の強化として、財務体質の強化や人材教育等に加えて、営業主体の仕込精度向上/リードタイム短縮活動の推進、情報ネットワークの整備を進めて行きます。
 ブロック販社を含む要員は、2002年度までに150名の削減(グループ外への出向100名と自然減50名)を行い1400名体制と致します。

【目標数値】

(単位:億円)
2001年度予想 2005年度目標
連結 単体 連結 単体
売上高 1,580 927 1,750 1,250
経常利益 16 5 90 60

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