2000年11月29日
コベルコ建機株式会社

一軸地盤改良機『M130E』の販売について

 コベルコ建機(株)(本社:東京都中央区 社長:森脇亞人 資本金:160億円 電話:03-3278-7111)はこのほど、主に住宅建築、土木工事における基礎工事用機械として、一軸地盤改良機『M130E』の販売を12月1日より開始致します。販売価格は4,200万円、販売目標台数は年間20台です。

一軸地盤改良機『M130E』

 従来地盤改良工事は埋立地や河川堤防補強等で行われてきましたが、近年地震による地盤液状化や地下埋設物の破損事故、造成地に建てられた住宅の地盤沈下等がクローズアップされています。これらの背景から、平成8年度から国土庁により地震防災緊急事業5ヵ年計画が実施され、また平成12年4月1日より『住宅の品質確保の促進等に関する法律』による基本構造部分の10年保証が義務付けられる等、地盤改良工事に対する関心が高まるとともに工事量が年々増加してきております。

 地盤改良には様々な工法がありますが、一般的なものに、スラリー系深層混合処理方法があります。これは、軟弱地盤をドリルなどで掘削しセメント等の薬液を注入・攪拌する事で強固な地盤への改良を行うもので、主として3点式基礎機械や油圧ショベル等のベースマシンに専用アタッチメントを装着して施工されています。

 今回上市します 『M130E』 は、そのコンパクトなサイズにもかかわらず安定性に優れていることで定評のある本格後方超小旋回油圧ショベル「グランビートル60SR」をベースマシンとした一軸地盤改良機で、全装備質量13.4t、全長4.7m、全幅2.32mというコンパクトなサイズながらも、最大掘削孔径φ1,200mm、最大深度11.3mという施工能力を持ったアタッチメントを装着しており、6tクラスの油圧ショベルをベースマシンとした地盤改良機ではトップクラスの施工能力を持っています。

 一般にこのクラスの小型地盤改良機は、油圧式掘削モータを使って掘削・攪拌ヘッドを回転させますが、高掘削トルクが必要な地層では回転速度が低下し施工効率が落ちる(場合によっては施工できない)弱点があります。対して『M130E』では、回転数を落とさずに高トルクが出せる特性を持つ電動式掘削モータを採用する事で、広範囲の地層に対応可能とし、かつφ1000~φ1200の大径改良も可能にしました。また、従来の小型地盤改良機は掘削モータをリーダ(支柱)上部に配置するため、重心が高くなり、安全性確保のため機械本体の重量増加を余儀なくされておりました。対して『M130E』は、掘削モータをリーダ下部に配置する新機構を採用する事により低重心化を実現させ、コンパクトで軽量な機体で高い施工能力を実現する事が可能になりました。以上により高掘削・攪拌トルクを持ち、狭所性に優れ、且つ低重心で安定性が高い地盤改良機を実現しました。

 今回一軸地盤改良機『M130E』の発売によりコベルコの基礎土木機械メニューは、リーダ型ベースマシン『LMシリーズ』、クローラクレーン型ベースマシンの『BMシリーズ』、ソイルセメント地中連続壁施工機械の『TRDシリーズ』、地盤改良施工機械の『DJMシリーズ』、そして本年9月より販売を開始したテレスコピックブーム式クローラクレーン『TK550』に加えて更に基礎土木機械メニューを拡充しました。

一軸地盤改良機『M130E』の主な特徴

○電動モータ駆動により安定的にトルクを付加

  • 回転数を落とさずに高トルクが出せる特性を持つ電動式掘削モータを採用し、広範囲の地層に対応可能

     一般にこのクラスの小型地盤改良機は、油圧式掘削モータを使って掘削・攪拌ヘッドを回転させますが、局所的に高強度の地盤が存在する場合の施工時には、油圧モータではリリーフして回転不能になる事があります。電動モータでは、その様な領域でも回転が止まる事無く施工を継続する事が可能です。

○低重心化と安定性向上を実現

  • 掘削モータをリーダ(支柱)下部に配置する独自の機構を採用する事により低重心化を実現
  • 上部駆動方式に比べ掘削ロッドの触れが少ない(安定した作業性能を確保)
  • 安全確保のための重量増加の必要がない事から、コンパクトな機械本体が実現

○クラストップの最大掘削孔径と最大深度の実現

  • 電動モータの採用とコンパクトな機械本体の実現により、クラストップの最大掘削孔径φ1,200mm、最大深度11.3m(オプションの5mロッド取付時)を実現しました。
  • 全長4.7m、幅2.32mのコンパクトボディである事から、狭隘地でも地盤改良工事が可能

○ラック&ピニオンと昇降ダブルモータを採用

  • 従来アタッチメントの昇降にはチェーン等を使っていましたが、ラック&ピニオン(ギア)と昇降ダブルモータの採用により、伝達に無駄がなく安定した昇降力が可能となりました。

○リーダ(支柱)の自立

  • リーダは油圧シリンダにより自立起伏/格納が可能
    また分解不要で格納姿勢のまま搬送が出来ます。
  • 鉛直調整が容易な作動機構の採用 (前後方向⇒起伏シリンダ、左右方向⇒傾転シリンダ)

主要諸元一覧

本 体 型 式 M 1 3 0 E
○ 性 能
ロッド長さ 8.0m
最大掘削深度 標準 4.8m+ヘッド長
+OPT 9.8m+ヘッド長
最大掘削径 1,200φ
昇降ストローク 2.84m
ロッド回転トルク
(220V,60Hz定格)
9.8kN・m
1.0tf・m
ロッド回転数
(220V,60Hz定格)
40min-1
{40rpm}
回転方向 正・逆(連続、寸動)
最大昇降力 68.6kN {7.0tf}
最大昇降速度 3.0m/min
旋回速度 6.7min-1 {6.7rpm}
走行速度 1.5km/h
登坂能力(リーダを除く) 70% (35度)
○寸 法(450mmゴムパッド付シュー、標準ロッド)
全長(輸送時) 8,696mm
全幅(輸送時) 2,320mm
全高(輸送時) 2,700mm
後端旋回半径 1,975mm
最低地上高 380mm
○ 質 量
本体質量 8,155kg
カウンタウェイト 2,600kg
平均接地圧(全装備時) 59kPa {0.6kgf/cm2}
シュー接地面積 20,115cm2
○ モ ー タ
形式 三相200/220V(50/60Hz)
定格出力 45kW {60PS}
○ エ ン ジ ン
型式 いすゞA-4JB1
種類 直接噴射式ディーゼル
定格出力 40.4/2,100kW/min-1
{ 55PS/2,100rpm}
燃料タンク容量 85L
○ 油 圧 装 置
油圧ポンプ 型式 可変容量アキシャルピストンポンプ
設定圧 29.4MPa{300kgf/cm2}
旋回モータ形式 アキシャルピストンモータ×1
走行モータ形式 アキシャルピストン2速モータ×2
作動油量 全量68.5L(タンク内55.4L)
○ 施 工 管 理 装 置
計測値 深度、昇降速度、流量、掘削トルク

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