株式会社タダノ(以下 タダノ)及びコベルコ建機株式会社(以下 コベルコ建機)は、ラフテレーンクレーンのキャリア部の生産委託、クレーン部の部品の共通化・共同購買に関する業務提携に基本合意し、本日基本合意書を締結致しました。
今回の提携概要は、次のとおりです。
1. 提携の概要
- 提携の対象機種について
提携の対象機種は、ラフテレーンクレーンです。
- キャリア部の生産委託について
両社は、キャリア部の開発コスト及び製造・調達コストの削減を目的として、キャリア部をタダノが製造することとし、コベルコ建機はタダノに対しキャリア部の生産委託を行います。
- クレーン部について
クレーン部は、従来どおり独自に開発・設計・製造し、キャリア部にクレーン部を搭載したラフテレーンクレーン完成車としては、各々で製造し、販売を行います。
但し、両社は、クレーン部の部品調達コスト削減を目的として、協議の上で、部品の共通化と共同購買を推進します。
- 提携の効果
今回の提携で両社合わせて年間約20億円の収益改善を見込んでおります。
- その他
今回の基本合意に基づき、両社で協議を進め、2003年に予定されている排ガス規制への対応を含め、決定した機種のキャリア部から順次実施します。
コベルコ建機へのキャリア部納入開始は、2001年度下期を予定しています。
今回の提携には、販売・サービスに関するものは含まず、従来どおり両社独自に販売・サービス活動を展開します。
2. 背景と狙い
国内のラフテレーンクレーン需要は、バブル期の1991年度の約4,500台をピークとして、一時回復の動きがあったものの、土木建設需要の低迷によって、ここ数年は連続して減少を続け、1999年度の国内需要は約1,500台とピーク時の30%となっています。(台数は登録ベース推定値)
今年度も需要は底ばい状態で、ラフテレーンクレーンメーカー各社を取り巻く経営環境は依然として厳しく、需要が急速に回復することは難しいと考えざるを得ません。
このような状況の中で、タダノ及びコベルコ建機は、生産性の向上、要員合理化、部品調達コストの削減等にそれぞれ取り組んできました。
しかしながら、厳しい経営環境の下、今後もクレーン事業を維持・継続していくためには、他社との提携による更なる合理化と収益力の向上が不可欠と判断し、今回の提携に至ったものです。
今回の提携により、開発・調達・製造に関する両社の得意分野を活かし、開発コストの削減、生産効率の向上と合理化による製造・調達コスト削減を図って参ります。
以上
(ご参考)
●国内ラフテレーンクレーン需要推移について
●会社の概要
社名 |
株式会社タダノ |
コベルコ建機株式会社 |
会社設立 |
1948年8月24日 |
1999年10月1日
((株)神戸製鋼所の建機部門が独立) |
本社所在 |
香川県高松市新田町甲34番地 |
東京都中央区日本橋1丁目3番13号 |
資本金 |
130億円
(東証1部・大証1部上場) |
160億円
((株)神戸製鋼所100%出資) |
代表者 |
多田野 榮 |
森脇 亞人(もりわき つぐと) |
従業員 |
1,353名(2000年9月末) |
850名(2000年9月末) |
売上高 |
610億円(2000年3月期) |
536億円(1999度下期・6ケ月間の実績)
注)1999年10月1日会社設立のため。 |
●語句説明
(1)ラフテレーンクレーン
ラフテレーンクレーンとは、一つの運転席で走行とクレーン操作が行える自走式クレーンです。不整地や比較的軟弱な地盤でも走行ができるほか、市街地等の狭隘地での機動性にも優れています。
<ラフテレーンクレーン 概観>
(2)キャリア部とクレーン部
キャリア部は、クレーン下部走行体です。
クレーン部は、クレーン上部構造体です。(旋回台・キャブ・クレーンブーム等)
<クレーン部>
<キャリア部>