2000年11月8日
コベルコ建機株式会社

2000年9月中間期 決算発表

【創立1周年を迎えて】
 新会社設立時に下記3点を重要課題と掲げていました。すなわち

  1. 黒字化の達成
  2. 安定収益を確保しうる体質改善
  3. グローバリゼーション です。

先ず、1)の黒字化達成に関しては、99年下期、2000年上期と2期連続の黒字化を達成しており、今後は2)の安定収益を確保しうる体質改善に向け後で述べます種々の施策をプロジェクトワイズに実施しており、設立3ヵ年で基礎固めを行いたいと考えております。

 国内の建設機械需要は、前年同期比では若干の回復を見せ、重機ショベル及びクローラクレーン市場は底打ち感が出始めましたがミニショベル、ラフテレーンクレーンは依然厳しい状況が続いております。
 厳しい経済環境が続く中、"ユーザー現場主義"を基調とする企業理念を掲げ昨年神戸製鋼から分社独立し、製販一体の建機専業メーカーとなり1年が経過致しました。新会社を設立した事により

  • 合理化によるスリム化の達成
  • スピード経営の実践
  • 一体化での"マイカンパニー意識"の醸成による業務効率化と収益意識の向上
等の効果で、当社の2000年中間期(2000年4月~2000年9月)決算は、売上高544億円、経常利益は2億円と2期連続の黒字決算となりました。当期純利益は、事業体質強化の為の製品保証引当、会計基準の変更に伴う退職給付移行による差異を繰入れ、46百万円を計上致しました。また連結決算では売上高825億円、経常利益14億円、当期利益は173百万円という結果となりました。

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【部門別の状況】

『ショベル事業』

 国内市場においては、重機ショベルの総需はやや上向きの状況の中で後方超小旋回機グランビートルシリーズを業界に先駆けて上市、フルラインナップ化した事と、中大型機で大幅に耐久品質を向上したダイナミックシリーズの市場投入が市場の評価を受け、且つレンタルネットワークの充実も相俟ってシェアアップとなりました。また、ミニショベルにおいても業界初となるTOPSキャノピ(横転時オペレータ保護構造)を搭載したNewビートル&セイバーシリーズをフルモデルチェンジし、商品力向上を図った事で大幅なシェアアップとなり業界2位グループになりました。
 海外市場においても国内同様、後方超小旋回機の豊富な品揃えと大型機であるダイナミックシリーズの上市が北米、欧州、東南アジアを中心に支持される一方、流通強化及び市場対応力強化等の積極施策が効奏し、大幅な台数増となりました。

『クレーン事業』

 国内市場においてクローラークレーンの需要は底打ち感が出始めてきたものの、ラフテレーンクレーンは景気の不透明感・チャータ料金の低位定着等の環境条件により、新車需要には繋がらず総需要は前年同期に比べ大きく減少しております。
 そういった事業環境下、港湾や土木基礎系ユーザに重点シフトした営業活動等を行い、クローラークレーンについてはトップシェアを維持し、また需要減少傾向にあるラフテレーンクレーンにおいては排ガス規制による代替需要の確実な取り込みによりシェアアップを果たしました。また現場のニーズを具現化し、クローラークレーンとラフテレーンクレーンの技術を融合して完成させたTK550(テレスコピックブーム式クローラークレーン)は、当初の目標を上回る売れ行きとなり、収益的に貢献しております。
 また海外においては、ラチスブーム式クローラークレーンの高需要地である北米に新機種の投入を図ると共に営業活動を推進する一方、小さな市場規模ではありますが欧州と東南アジア地区においても確実に新車販売の台数を確保致しました。

【今後の課題】

 コベルコ建機として創立1周年を迎えた訳ですが、国内外ともに厳しい事業環境下、マーケットがシュリンクしていく中でも継続的に安定収益を確保できる事業体制の早期確立が必要で、そういった観点から我々は中期的課題として取り組んでいるメニュー戦略を基軸に、リードタイム短縮や物流改善、調達コスト削減といった事業コストの圧縮努力や、財務体質強化、情報装備強化、レンタルネット強化といった事業体質強化に向けた種々の施策の実行スピードを更に上げ、成果を確実に取り込む事に注力いたします。

『ショベル事業』

  1. コベルコ建機独自のレンタルネットワーク構築強化・拡大
  2. 海外事業収益化(欧州市場での収益向上とアジア極東市場への布石)
  3. 特機/基礎土木分野等の新規メニューの開拓促進
  4. 流通変革に呼応したプロダクトサポート体制

『クレーン事業』

  1. 海外展開の拡大 → 高需要地(北米)への経営資源シフトと欧州直販強化
  2. ユーザーニーズに合致した需要創出(レンタル向け商品/個別カスタム対応)
  3. モジュール開発思想の具体的展開 → 開発効率化と大幅コストダウン

 これらの中期的重点施策に加えて、短期的には引き続きスリム化とコスト削減に向けた諸施策を進めることにより、2000年度の業績予想は、売上高1,080億円、経常利益15億円と、当初予想通りの業績を見込んでおります。また連結では売上高1,600億円、経常利益34億円を予想しております。

 以上

【備考】

弊社は昨年10月に建設機械製販一体の新会社としてスタートしたため、昨年度の決算は、コベルコ建機単体でかつ半年間に限定した変則決算で報告致しましたが、今年度からは、単体、連結共に報告致します。しかし今期につきましては、比較対象となる期間がありませんので、背景ご理解の程宜しくお願い致します。

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