1999年11月25日
コベルコ建機株式会社

パイルドライバ「LM1450」の開発・販売について

パイルドライバ「LM1450」 当社はこのほど、パイルドライバ『LM1450』(走行可能全装備質量145t)を開発し、12月1日より販売を開始します。販売価格は1億3,230万円(177kWアースオーガ装着可能回転式リーダ装備)、販売目標台数は4台/年です。

 本機はパイルドライバと呼ばれる3点支持式リーダ型の基礎工事向けベースマシンで、リーダに各種アタッチメントを組み付けて、さまざまな工法に応じた施工を行なうことができるものです。

 基礎工事とは主に地中に杭を造成する工事で、地盤沈下防止や耐震補強などの「建造物の支持」、または河川の護岸工事などでの「土留め・止水」を目的としています。さらに近年は「地盤改良」として、軟弱な地盤を砂や薬品によって強固なものにするさまざまな工法が開発され、その工法独特のアタッチメントを用いた施工が行われています。

 この『LM1450』は95年6月上市の「LM1200」(走行可能全装備質量125t)の上位クラスにあたる機種として、近年の基礎工事においてパイルドライバに求められる各部の強度や走行牽引力を高め、より高い安定度を持たせたもので、ますます大型化・多様化する各種基礎工法への対応力を持たせました。今回の『LM1450』の上市により、既存機種の「LM1200」とでパイルドライバのシリーズ化を図りました。尚、『LM1200』は『LM1250』と名称変更しました。

 これらLMシリーズの2機種で、100t以上のパイルドライバーの主流クラスである110t、130tクラスの大型化をカバーできる事となります。LMのシリーズ化でクローラークレーン型基礎工事向けベースマシーンのBMシリーズ、ソイルセメント地中連続壁施工機械のTRDシリーズ、地盤改良施工機械のDJMシリーズと土木基礎分野で4メニューとなりました。

 今後もお客様の現場を重視する「ユーザー現場主義」の姿勢を貫き、ますます多様化するユーザーニーズに対応した商品開発を積極的に進めていく考えです。

【『LM1450』の主な特長】

(1)クラス最大のエンジン馬力
 低燃費、高出力の直噴エンジンを、*1メカトロESSで制御。瞬発力を要求される作業に粘り強く対応できるうえ、複合操作時にも作業速度の変化を抑えることができます。

(2)クラス最大の大容量ドラム
 搭載される4つのドラムは容量・ラインプル共に十分な余裕を持っており、大深度の基礎工事や大型アタッチメント装着の対応力を持たせています。特に第1、第2ドラムはΦ20mm×500mというクラス最大の大容量としています。

(3)クラス最高の巻上速度
 長尺リーダ仕様においてもアタッチメントをスピーディーに巻き上げることができるので、高い作業効率を実現できます。

(4)マルチディスプレイを採用
 運転操作のためのオペレーション情報、保守・管理のためのメンテナンス情報、取扱い説明に関する情報など、機械のコンディションを的確に把握するためのさまざまな情報を運転室内のカラー液晶モニタから得ることができます。

〔語句説明〕

*1:メカトロESS
 エンジンスピードセンシングの略。電子制御によりエンジンと油圧ポンプを連動させ、エンジン馬力を100%有効活用させるシステム。複合操作による急激な負荷変動でもエンジン回転数の低下を抑えます。

『LM1250』『LM1450』の主要諸元

型式名 LM1250 LM1450
走行可能全装備最大質量(t) 125 145
本体質量 (カウンタウエイト含まず)(t) 46.5 56.1
カウンタウエイト質量(t) 14.0 18.0
リーダ長さ(m) 21~36
ロープ速度(第1ドラム) (高/低)(m/min) 70/35
エンジン定格出力(kW/min-1{PS/rpm}) 177/1,800{240/1,800}

単位は国際単位系のSI単位表示で{ }内は従来表示です 。

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